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2024年9月10日
肌の漂白剤「ハイドロキノン」の効果と正しい使い方

肌の漂白剤!ハイドロキノンを徹底解説

ハイドロキノンとは・・・

ハイドロキノンとは、「肌の漂白剤」として知られる外用薬のひとつです。

美白やシミ、色素沈着への美白剤として皮膚科などで多く用いられています。

日本では2002年に認可されて以来、医療機関での取り扱いだけでなく、市販品にも配合できるようになりました。

現在では、インターネットや店頭で、誰でも気軽に購入できるハイドロキノンですが、その効果や安全性を正確に知っているでしょうか。

ここでは、医学的根拠を示しながら、使用方法、効果や安全性について説明します。

ハイドロキノンの働き

もともと肌には「メラノサイト」という色素細胞が存在し、紫外線が当たると、ダメージから肌を守る目的で、シミの元となる「メラニン」を作り出します。

通常、ターンオーバーによってメラニンは排出されますが、紫外線の浴びすぎやターンオーバーのサイクルが乱れることで、過剰に蓄積されてシミとなってしまいます。

このような仕組みで作られるシミですが、ハイドロキノンにはメラニン色素を作り出す「メラノサイト」そのものの数を減らす働きがあると言われています。

さらに、「チロシナーゼ」という酵素を抑制する働きがあります。

チロシナーゼは、紫外線がメラノサイトに当たった際にメラニンを作り出すため、この酵素が抑制されることによってメラニンの生成を抑制します。

このことから、ハイドロキノンはシミ予防だけではなく、すでに肌に沈着したシミを減少させる効果が期待できます。

どんな「シミ」に効果的?

一言にシミといっても、その原因は様々です。
ハイドロキノンはメラニン色素の生成を抑える薬なので、主に以下の方に効果的です。

1. 老人性色素班 / 日光黒子

日常の紫外線ダメージが原因で加齢と共に出てくる褐色のシミの事を指します。

一般的に「シミ」と呼ばれているものはこれにあたります。

主に中年以降の男女に見られ、顔や手の甲、前腕など日光に長時間当たる部位によく発生します。

2. 肝斑

額や頬、目や口の周りに左右対称に現れるシミの一種で、女性ホルモンの乱れやストレス、不規則な生活が影響していると言われる、かなりデリケートなシミです。

治療において、悪化させてしまうリスクが考えられるため避けておくべき施術もあります。ハイドロキノンなどの外用薬や内服薬が使われることも多いです。

3. 炎症後色素沈着

火傷、湿疹、かぶれなどによる肌の炎症後に生じる色素沈着です。

ニキビ跡、レーザー治療後の色素沈着もこれにあたります。

4. 雀卵斑(そばかす)

直径数ミリ以下の茶褐色の小さな丸い斑点が散在し、両頬や鼻の周りなどに多く出ます。

発症には遺伝的要因が関与していると考えられており、3歳頃から見られ、思春期に特に目立つようになります。

紫外線の影響で濃くなったり、数が増えたりします。

ハイドロキノンの使い方

ハイドロキノンは刺激が強い成分なので、人によっては肌に合わず、かぶれや赤みなど炎症を引き起こす場合があります。

腕などに塗り、事前にパッチテストをしてから使用することをおすすめします。特に、濃度が高いものはかぶれやすいので、腕などの目立たない部位に塗り、1日経ってもかぶれていないことを確かめてから使用するほうが良いでしょう。

色素脱失剤として、基本、特にシミがあるところだけ1日1回夜の洗顔後の使用が推奨されています。紫外線に弱いため、朝の使用はあまりおすすめできません。

ハイドロキノンの使用で最も大切なことは「日焼け対策」です。後述する副反応を抑える意味でも、日焼け止めクリームを塗るようにしましょう。

ハイドロキノンの注意点と副作用

1. 肌のかぶれや赤み

ハイドロキノンは刺激が強い成分なので、人によっては肌に合わず、かぶれや赤みなど炎症を引き起こす場合があります。

使用を続けると、肌が慣れてきて自然と収まる場合もあります。少量にしてみたり、回数を減らすのも効果的です。

しかし、酷い炎症や赤みといった副作用が生じた場合は、使用を中止して皮膚科医に相談して下さい。

2. 濃度に注意

一般的に1〜10%程度の濃度がよく使用されますが、濃度が高くなるほど、かぶれや赤みのリスクも上がります。

シミが沢山あるからと安易な気持ちで顔全体に塗ると、肌トラブルが出現する可能性も大いにあります。

ハイドロキノンは配合濃度に応じた使い分けをおすすめします。

例えば、ポイントケアには4%以上配合されたハイドロキノン、顔全体の美白目的での使用には1%前後の低濃度のハイドロキノンと使い分けるとよいでしょう。

3. 日中の紫外線対策

本来、シミとはメラニン色素を作り、日光から肌を防御するという大事な役割も担っています。

しかし、ハイドロキノンでメラニン色素が作られるのを抑えているため、日光に対して防御が弱くなってしまいます。

ハイドロキノンを塗っている箇所・塗っている期間は必ず日焼け対策を徹底し、日焼け止めクリームとセットで使用しましょう。

4. 白斑

高濃度のハイドロキノンを長期間使用することにより、局所的に色が抜け白斑を引き起こす危険性があります。
一般的にハイドロキノンの使用期間は3~6ヶ月程度とされており、症状の改善が見られない時には、休薬期間を設けたりレーザー治療に切り替えるといった対策をとることが多いです。

5. 酸化しやすい

ハイドロキノンは非常に酸化しやすい成分です。化粧品に配合される場合、安定性を向上させるべくさまざまな技術が取り入れられていますが、開封後はできるだけ冷暗所に保管してください。

また、酸化したハイドロキノンは肌に刺激を与える可能性があるため、開封後は1ヶ月単位で使い切ることをおすすめします。

シロノJクリニックのハイドロキノン

ハイドロキノンは市販薬や海外から個人輸入できるものもあります。ただし、安全性や効果が十分に検証されていないもの、高濃度すぎるものなどがあり、安易に個人輸入で済ませてしまうのは危険です。

当院のハイドロキノン外用薬は、医師の診察を受けていただいた上でのご購入となります。

その理由は、使用にあたっての副作用や注意点を患者様に十分ご理解いただくためです。

正確な知識を身につけ、美肌作りに役立てましょう。