美容と健康をサポートする重要な栄養素として知られている「ビタミンC」。サプリメントやスキンケアなどで、日々取り入れている方も多いのではないでしょうか?
ビタミンCは、シミ予防や美白に効果的な成分としておなじみですが、それだけではありません。
今回は、ビタミンCが美容や健康面で肌や身体にもたらす効果に加え、不足した場合に起こる影響や、効果的な摂取方法について詳しく解説します。
ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、別名アスコルビン酸とも呼ばれます。
16世紀~18世紀にかけての大航海時代にヨーロッパ諸国で流行した、壊血病(ビタミンC欠乏症)を予防する成分として、発見されました。
美容や健康において、ビタミンCは肌や身体にさまざまな効果をもたらし、生命活動にも関わる重要な栄養素です。ただし、人間の体内では生成できないため、食事やサプリメントなどから意識的に摂取する必要があります。
肌トラブルや老化の原因となる活性酸素を除去して、細胞の老化や病気のリスクを減らします。シミ・しわの予防に効果的です。
白血球の働きを助け、免疫反応を高めます。
風邪や感染症の予防や、回復を早めるサポートをしてくれます。
皮膚・血管・骨・軟骨などの構造を支えるたんぱく質(コラーゲン)生成を促進します。傷の治りを早くしたり、肌のハリや弾力を保つためにも重要です。
特に植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の吸収を促進し、貧血の予防に役立ちます。
皮脂の分泌をコントロールすることでも知られています。過剰な皮脂の分泌を抑え、ニキビを防いだり、毛穴の詰まりに効果的です。
ストレスを感じたり、疲労が蓄積すると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。このとき、ビタミンCが大量に消費されるため、体内で不足しやすくなります。ビタミンCをしっかり補給することは、精神的な安定やストレスへの対処に大きく関わっています。
ビタミンCは体内で作ることができないため、食事やサプリメント、化粧品などから意識的に取り入れる必要があります。さらに、体内を巡ったあとに吸収されなかった分は数時間で尿として排出されてしまうため、常に不足しやすい栄養素といえます。
ビタミンCが不足すると、体にさまざまな悪影響を及ぼします。ビタミンC不足による直接的な不調だけでなく、活性酸素が増えることで引き起こされる影響もあるのです。
ビタミンCの欠乏によって引き起こされる代表的な病気が「壊血病(ビタミンC欠乏症)」です。
ビタミンCが不足すると、コラーゲンが十分に作られず、細胞同士の結合が弱くなります。
初期症状としては、免疫力の低下や毛髪・皮膚の乾燥、脱力感、うつ状態などが見られます。
症状が進行すると、血管がもろくなり、太ももにあざができたり、歯ぐきや消化管、粘膜からの出血が起こることもあります。
重症の場合、命にかかわることもあるため注意が必要です。
ビタミンCには抗酸化作用があり、不足すると活性酸素の産生が過剰になり、病気にかかりやすくなるリスクが高まります。
活性酸素は本来、細胞の情報伝達や免疫機能に関わっていますが、過剰になると細胞を傷つけてしまいます。
その結果、肌トラブルだけでなく、がんや心血管疾患、生活習慣病など、さまざまな病気の原因となることがあります。
ビタミンCを適切に摂ることは、こうした健康への悪影響を予防するうえで重要な役割を果たします。
経口摂取(サプリメントや食事)と比べて、肌表面にピンポイントでビタミンCを届けることができるため、シミ、くすみ、毛穴、ニキビ跡などの局所的な悩みに効果的です。
ビタミンCを配合した化粧水や美容液を肌に塗ることで、表皮にビタミンCが取り込まれ、肌にさまざまな効果をもたらします。
たとえば、紫外線を浴びる前後にビタミンCを肌に塗ると、紫外線による細胞へのダメージや、メラニンの生成を防ぐ働きが期待できるという報告があります。
ビタミンCを経口摂取すると、消化管から血液中に吸収され、体内のさまざまな部位へ運ばれていきます。肌だけでなく、全身の健康維持に役立つのが大きなメリットです。
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれており、特に柑橘類やパプリカはその代表例です。
ほかにも、キウイフルーツやブロッコリーなどもビタミンCが豊富な食品です。
栄養はできるだけ食べ物から摂るのが理想ですが、食品に含まれるビタミンCの量は、季節や保管時間、調理方法などの条件によって変化します。
さらにビタミンCは水に溶けやすく、熱や酸化に弱いため、調理中に失われやすいビタミンとしても知られています。
こうした理由から、医薬品やサプリメントで安定した状態のビタミンCを摂取するのも、有効な方法のひとつといえるでしょう。
ビタミンCには、純粋なアスコルビン酸である「ピュアビタミンC」と、肌の中でアスコルビン酸に変化して効果を発揮する「ビタミンC誘導体」の2種類があります。
ピュアビタミンCは、光や熱に弱く酸化しやすいという不安定な性質があるため、サプリメントや化粧品に配合して使用するには、安定化が非常に重要とされてきました。
そこで開発されたのが「ビタミンC誘導体」です。ビタミンC誘導体は、アスコルビン酸にリン酸などのさまざまな分子を結合させることで、皮膚内で安定的に効果を発揮できるようにしたものです。
このようにして安定化されたビタミンC誘導体が皮膚内に届くと、結合されていた分子が切り離され、ビタミンCと同様の効果を発揮します。
ただし、ビタミンC誘導体は、結合されていた分子が切り離されて初めてビタミンCとして作用するため、効果が現れるまでに多少時間がかかることがあります。これがビタミンC誘導体の特徴の一つです。
一方、ピュアビタミンCは体内に入るとすぐに効果を発揮するため、「即効型ビタミンC」とも呼ばれています。
ただし、前述のとおり酸化しやすく不安定であるというデメリットがあるため、冷暗所での保管や早めの使い切りなど、取り扱いには注意が必要です。
ビタミンCの効果を期待して製品を選ぶ際は、配合されているビタミンCがどの種類なのかを確認し、自分の目的や肌の状態に合ったものを選ぶとよいでしょう。
ビタミンCには、肌の保護やコラーゲン生成の促進、さらには健康をサポートする効果があり、これらは多くの研究によって裏付けられています。
意識してビタミンCを補うことで、健康的な肌と身体を維持していきましょう。
シロノJクリニックでは、ビタミンCの内服薬と医療機関専用のスキンケア商品を取り扱っております。お気軽にご相談ください。
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