令和7年、新年早々、シロノJクリニックは新たに「レッドタッチプロ(RED TOUCH PRO)」というレーザーを導入いたしました。
このレーザーは、イタリアの老舗医療機器メーカーDEKA社の製品で、最大の特徴は675nmの波長を搭載していることです。
医療用レーザーにも種類がたくさんありますが、レーザーごとに波長が異なり、波長によってターゲットとなるものが変わってきます。
シミ治療にはメラニンに吸収されやすい波長のレーザーを使用し、異常血管の除去治療には血液中のヘモグロビンという色素に吸収されやすい波長のレーザーを使用します。
では、レッドタッチプロに使用されている675nmの波長は、何に吸収されやすいのか、何をターゲットとしているのかについてですが、ずばり「コラーゲン」です。
レッドタッチプロの波長675nmのレーザーは、コラーゲンに選択的に吸収され、老化して弾力を失ったコラーゲンを引き締めるとともに、新しいコラーゲンの生成を促進します。これにより、ハリのある若々しい肌を実現でき、ハリの回復によって毛穴の改善も期待できます。
実は、675nmの波長はメラニンにも吸収されるため、照射方法を工夫することでダウンタイムなしでシミやくすみの改善が期待できます。また、肝斑に対する有効性も多数報告されており、シミや肝斑治療に新たな可能性をもたらしています。
メーカー提供写真(Coutesy of Viviana Paris,M.D.,Bologna-Italy)
さらに、レッドタッチプロは赤みの改善にも有効性が報告されています。赤みのレーザー治療では、これまで血液中の赤い色素であるヘモグロビンに吸収されやすい波長のレーザーが一般的に使用されてきました。
675nmの波長は特別にヘモグロビンへの吸収が高いわけではないため、なぜ改善が見られるのかについては議論されています。しかし、血管はコラーゲンを主成分とする組織であるため、レッドタッチプロレーザーが血管壁のコラーゲンに吸収され、老化した血管壁を修復することで、結果として赤みが目立たなくなるのではないかと考えられています。
このように、レッドタッチプロはシワやハリ、シミ、くすみ、肝斑、毛穴、赤みなど、様々な肌の悩みに対応します。
私がレッドタッチプロを初めて知ったときは、そんな都合の良いレーザーがあるはずがないと思い、一度は素通りしました。しかし、別の機会にDEKA社主催のレッドタッチプロの勉強会があり、導入を考えていたわけではなく、あくまで知識を得るために参加しました。
ところが、リサーチやエビデンス、臨床効果に関する興味深い情報が豊富にあり、自分でも多数の論文を読み漁った結果、これは私の肌治療に新たな一手となる可能性があると感じ、考えを一転させ、導入に踏み切りました。
どうぞお気軽にお問い合わせください。