前回は、サブシジョンと薬剤注入が同時に行えて、ニキビ跡の凹凸や肉割れ・妊娠線、傷跡などを改善するトライフィルプロについて、簡単に書かせて頂きましたが、今回の記事ではトライフィルプロで使う薬剤について書きたいと思います。
取り扱っている薬剤の種類は、クリニックやドクターの考えによって異なります。
トライフィルプロは韓国のメーカーが作ったもので、トライフィルの研修で韓国へ行きましたが、韓国でもクリニックによって使用する薬剤が違いました。
比較的よく採用されているのは、ヒアルロン酸を主成分としたもの、ポリヌクレオチドという細胞の再生に関わっている成分を主成分としたもの、PLLAやPDLLAなどポリ-L-乳酸を利用して作られたスキンブースターと呼ばれる製剤が多いようです。
当院では、安全性と効果の両方を大事にしており、現時点では、ポリヌクレオチド製剤のリジュランと、6種のアミノ酸を主成分としたヒアルロン酸製剤であるスネコスを主に使っています。
細胞の増殖・分化を促して、クレーター状に凹んでしまった組織の再生を助けるポリヌクレオチド(PN)を有効成分とした皮膚再生剤です。
皮膚の組織再生に欠かせない、皮膚の主な構成成分であるコラーゲン・エラスチンを効率よく生み出すために、最適なアミノ酸の種類と配合率を研究して作られた製剤です。
いずれも、もともと我々人間の中に存在する成分でもあり、アレルギーや副作用の心配が限りなく少ないうえ、製剤の効果の臨床的データも豊富なため、当院ではこれらを採用しています。
ポリ-L-乳酸を利用した製剤には、古くはニューフィル、スカルプトラ、最近ではジュベルックやレイシュナという製剤が出回っていますが、これらは、確かにコラーゲンの生成力は高いですが、一種の異物反応を起こしているような要素があるため、当院では効果と安全性のバランスに確信を持てるまで少し様子を見ているところです。
ただ、トライフィルプロを導入して、すでに沢山の方に治療を受けていただいていますが、リジュラン・スネコスで十分効果が出ているケースが多いので、あえてリスクのあるものは使わなくてもいいかな、とも考えています。
トライフィルプロに限らず「流行りに流されず、自信を持ってオススメできるものしか使わない」ということを大切にしています。