の正しい見極め方と悪化させない治療ステップ-1024x1024.webp)
こんにちは。シロノJクリニック 院長の清家純子です。
鏡を見たときに、頬骨のあたりにモヤモヤとした薄茶色の影があることに気づき、「シミができたからレーザーでパッと消してしまおう」と考えたことはありませんか?
しかし、実際に当院へご相談にいらっしゃる患者様の中には、「他院でシミ取りレーザーを受けたら、かえってシミが濃く、広がってしまった」と深く悩まれている方が少なくありません。
実は、そのシミの正体が「肝斑(かんぱん)」であった場合、強いレーザーを当てることは逆効果になり、症状を悪化させてしまう危険性があります。シミ治療において最も重要なのは、「今あるシミがどのタイプなのか」を正確に診断することなのです。
この記事では、長年多くのお肌の悩みに向き合ってきた医師の立場から、肝斑のデリケートな性質と、それを悪化させずに着実に改善へと導くための正しい治療ステップについて、詳しくお話ししたいと思います。
一口に「シミ」と言っても、その種類は様々です。多くの方がイメージする「日光性色素斑(老人性色素斑)」は、これまでに浴びた紫外線ダメージの蓄積によって境界線がはっきりと現れるシミです。
一方「肝斑」は、30代から50代の女性に多く見られるシミで、両頬や額、口の周りなどに「左右対称」に、モヤモヤと広がるように現れるのが大きな特徴です。
肝斑の発症には、女性ホルモンのバランスの乱れが深く関わっていると考えられており、妊娠・出産や更年期、ストレス、そして日々の洗顔やメイク落としの際の「摩擦」が引き金となって悪化することが分かっています。つまり、肝斑は常に肌の奥で「微弱な炎症」が起きている、非常に過敏な状態のシミなのです。
では、なぜ肝斑に一般的なシミ取りレーザーを当てると濃くなってしまうのでしょうか。
一般的なシミ取り(スポット照射)で使われる高出力のレーザーは、メラニン色素を一気に破壊する力がありますが、同時に肌の組織にも強い熱ダメージを与えます。
肝斑が生じている肌は、ただでさえ炎症を起こして過敏になっている状態です。そこに強いレーザーという「刺激」が加わると、肌はそれを攻撃とみなし、防御反応としてメラニンを作り出す細胞(メラノサイト)をさらに活性化させてしまいます。その結果、かさぶたが剥がれた後に、以前よりも濃い色素沈着が残ってしまうのです。
これが「レーザーで肝斑が濃くなる」というメカニズムです。だからこそ、肝斑の治療には「絶対に肌を怒らせない(刺激しない)」という大原則が必要になります。
肝斑を安全かつ効果的に治療するためには、焦らずに段階を踏むことが不可欠です。当院では、以下のステップで治療を進めています。
まずは、肌の奥で起きている炎症を鎮め、メラニンの生成をストップさせることから始めます。ここで活躍するのが「トラネキサム酸」や「ビタミンC」などの内服薬です。体の内側からメラノサイトの活性化を抑え込みます。同時に、メラニンの排出を促し生成を抑える「ハイドロキノン」などの外用薬(塗り薬)を併用し、治療の土台となるベースを作ります。
クリニックでの治療と同じくらい重要なのが、ご自宅でのスキンケアです。クレンジングの際に肌をゴシゴシ擦ったり、化粧水を叩き込むように塗ったりする行為は、肝斑にとっては致命的なダメージになります。「たっぷりの泡で優しく撫でるように洗う」「タオルで押さえるように水分を吸い取る」といった、徹底した摩擦レスの習慣を身につけていただくよう指導しています。
内服薬やスキンケアで肌の炎症が落ち着いてきた段階で、初めてレーザー治療を検討します。ただし、使用するのは高出力のスポット照射ではなく、「レーザートーニング」や「ピコトーニング」と呼ばれるマイルドな照射方法です。
これは、肌に余計な刺激を与えないよう非常に弱いパワーのレーザーを顔全体に均一に当て、蓄積されたメラニンを少しずつ細かく砕いて排出を促す治療です。ダウンタイムもほとんどなく、回数を重ねるごとに肌全体のくすみが晴れ、透明感が増していくのをご実感いただけます。
実際の診察室では、「肝斑だけ」が単独で存在しているケースは稀です。多くの場合、肝斑の下に日光性色素斑が重なっていたり、そばかすが混在していたりします。
もし、日光性色素斑の上に肝斑が重なっていることに気づかず、強いレーザーを当ててしまえば、先ほどお話ししたように肝斑が悪化してしまいます。そのため、私は患者様のお肌を診察する際、専用の機器なども用いながら、「どのシミが混在しているか」「今、どの層にアプローチすべきか」という見極めに最も時間をかけています。
お一人おひとりの肌状態に合わせて、内服薬の期間やレーザーの種類・出力を細かく調整することが、失敗のない治療に繋がるのです。
肝斑治療はマイルドなアプローチが中心となるため、強いダウンタイム(かさぶたや長引く赤みなど)はほとんどありません。トーニングの施術直後に軽い赤みや火てりが出ることがありますが、通常は数時間で落ち着きます。
ただし、レーザー治療全般のリスクとして、施術後の肌は一時的に乾燥しやすく、紫外線のダメージを受けやすい状態になります。十分な保湿と、季節を問わず日焼け止めを塗るなどの徹底した紫外線対策を行わないと、かえって色素沈着を招く恐れがあります。毎日のケアが治療結果を左右することを、ぜひご理解いただきたいと思います。
肝斑は、女性のライフステージやホルモンバランスの変化に密接に関わるデリケートな症状です。1回の治療で魔法のように消し去ることは難しく、「うまく付き合いながら、上手にコントロールしていく」という視点を持つことが大切です。
「早く消したい」というお気持ちは痛いほど分かります。しかし、焦って強い治療を行うよりも、ご自身の肌状態を正しく知り、適切なステップを踏むことこそが、結果的に最も美しい素肌への近道となります。
「このモヤモヤしたシミは肝斑なのだろうか」「今まで色々試したけれど良くならない」と一人で悩まれている方は、ぜひ専門医にご相談ください。
梅田で肝斑治療についてのご相談なら、シロノJクリニックへお任せください。あなたの肌に最も適した、負担の少ない治療プランを一緒に考えていきましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
梅田の美容皮膚科
『シロノJクリニック』
住所:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2丁目2-2 ヒルトンプラザウエスト 4F
TEL:0800-222-1112
関西医科大学医学部卒業後、京都大学医学部付属病院形成外科教室での研鑽を経て、シロノクリニック大阪院の院長を21年半という長きにわたり務め、豊富な臨床経験と実績を積む。2023年にシロノJクリニックを開設。日本レーザー医学会等の学会活動に加え、サーマクール・ウルセラ認定医、ヒアルロン酸注入のトレーニングドクターとして高度な技術指導も行う。「信頼できる名医」としてメディア出演も多数。「キレイになるのに遅すぎることはありません」をモットーに、親しみやすい雰囲気で患者様の悩みに寄り添い、解決への糸口を共に探る美容医療を提供している。
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