
いびき・無呼吸症候群の詳しい説明
もっと知りたい「いびき」のあれこれ
いびきは身体の危険信号 危険サイン「いびき」を科学する
寝ているときに、どれくらいいびきをかいてるのか、どんな音が出ているのか、本人は知ることができません。いびきの大きな特徴は、本人が自覚できないということです。ですから、自分でいかに防ごうと思っても、その方法はほとんどありません。
困ったことに、いびきの音は他人に迷惑をかけてしまいます。いびきが原因で離婚したという話は国の内外を問わず聞こえてきます。それでも、いびきが身体に何の害も与えないのであれば問題はないのですが、知らないうちに私たちの身体を害していくのですから厄介です。
ここ数年の間に、耳鼻咽喉科などの専門医がいびきについてさまざまな研究をした結果、いびきが私たちの身体に悪い影響を及ぼすものだということがわかってきました。最近、問題になっているのは、いびきが慢性疲労症候群や自律神経失調症の原因の一つになっているのではないかということです。特に、子供の突然死、老人が寝床で息を引き取るといったことの原因が「実はいびきではないか」という説が有力になってきました。いびきは、健康な、正常な呼吸音ではないのです。
活力を奪ういびき
いびきをかいているとき、私たちの睡眠はどのようになっているでしょうか。
人間の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しています。ノンレム睡眠とは、身体は眠りに入っているものの、脳の働きはまだ十分に眠っていないという状態、レム睡眠とは、完全に熟睡した状態をいいます。
健康な人の場合は、比較的浅いノンレム睡眠から入って、徐々に深いレム睡眠へと移っていきます。ところが、いびきをかく人は、レム睡眠に入る前に息苦しくなったり、自分のいびきの音に驚いたり、途中で目を覚ましてしまったりすることが多く、なかなか熟睡できないのです。
人間は熟睡して十分な休養をとらなければ、元気よく仕事をすることはできません。いびきは慢性の寝不足状態をつくりだしている、といってもいいでしょう。
寝不足になると、脳が十分に働かず、判断力が鈍ったり、集中力が途切れたりします。居眠りしてしまうこともあるかもしれません。いびきは、私たちの活力を奪っていきます。
いびきのメカニズム
いびきは、どうして起こるのでしょうか。
いびきは「鼻でかく」と思われがちですが、そうではありません。実はのどの奥、口蓋垂(のどちんこ)の周辺とその奥の部分で起こる場合が多いのです。鼻炎などの鼻の疾患が原因で起こることもありますが、ほとんどはのどの軟口蓋(のどのすぐ上の軟らかい部分)が原因です。いびきの音が鼻でしているかのように聞こえるのは、鼻孔を通して音が聞こえてくるからで、鼻が直接の原因ではありません。
いびきは、呼吸と身体の構造に大きな関係があります。
呼吸というのは、鼻で空気を吸い込んで肺に送り、逆に肺から二酸化炭素を吐き出します。このとき、空気や二酸化炭素は、のどの奥の「気道」を通っていきます。この気道が、起きて活動しているときと同じように、寝ているときも空気が通りやすいように広がっていれば、いびきは起こりません。スヤスヤと静かな寝息を立てて眠っていることでしょう。 ところが、何かの理由で気道が狭くなったり、ふさがれてしまうことがあります。これが、いびきの原因になります。
気道が狭くなると、空気は通り道をふさがれて、呼吸の際には空気がのどの奥を押し開きながら進んでいきます。このときに、空気と気道の粘膜が摩擦を起こしますが、この摩擦によっても音が出ます。
たとえば、思い切り走った後などに、ゼーゼーという激しい息づかいをしますが、これは大量の空気、すなわち酸素を吸ったり吐いたりして、粘膜と摩擦を起こしているために出る音です。このとき、空気の摩擦やその勢いによって、気道の粘膜や組織が振動して音を出します。また、それらから分泌されるものも振動して音を発します。これがいびきです。気道がふさがれる場合、何か物がはさまっているのであればそれを取り除けばいのですが、寝ているときに舌が垂れ下がったり、気道の粘膜が垂れさがったようになったりと、いろいろな理由があります。
つまり、いびきとは、睡眠中に上気道やその粘膜、分泌物などが、呼吸に伴って発する振動音や摩擦音のこと、といえます。
【疲れやストレス】
仕事やレジャーで疲れて帰ってくると、あっという間に寝入ってしまいます。こんなときによくいびきをかくといわれています。身体が疲れていると、寝入ったときには身体中の筋肉が弛緩しています。身体の筋肉が弛緩していくと、舌や軟口蓋が下に垂れ下がるようになります。呼吸をしている筋肉も、気道の粘膜もたるんできます。つまり、気道がふさがれやすい状態になっているのです。
一方、呼吸中枢は疲れた身体を回復しようと、大量の酸素を送り込もうとします。運動をした後の状態と同じで、身体中の細胞に酸素を送り込もうと、深く大きな息をします。すると、のどの筋肉や粘膜がたるんでふさがれやすい状態になっている気道を、大量の空気が通るために、いびきが起こります。
【肥 満】
肥満は身体に脂肪がついていくことですが、脂肪がつくところはお腹や背中ばかりではありません。日常の活動で燃焼しきれなくなった脂肪は、まず筋肉につき、ひどくなると内臓にまでついてしまいます。
のどの壁の部分にあたる気道も筋肉ですから、気道の粘膜の内部にも脂肪がたまっていきます。その脂肪が粘膜を押し出すような形になって気道をふさいでいきますと、空気の通り道が狭くなり、いびきの原因になります。現代病の一つでもある肥満は、一朝一夕に解消できるというものではありません。肥満が社会問題にもなる時代ですから、これはだれもが抱える危険といえるでしょう。
【鼻に病気を持っている場合】
鼻の病気を持っている人には、日常的にいびきをかいている人がたくさんいます。
アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などがあると、鼻がつまりやすいために空気の通り道が狭くなり、鼻腔の空気抵抗が大きくなって、軟口蓋の裏の部分が陰圧の状態になりやすく、軟口蓋や口蓋垂が振動しやすくなり、いびきが起こります。また、完全に鼻がつまると、口で呼吸することになり、口が開いて舌が落ち込みやすくなります。このために、咽頭が狭くなって空気の通り道がせばまり、いびきの原因となることがあります。鼻中隔湾曲症なども、いびきの原因の一つです。
【のどに病気のある場合】
アデノイドが大きい場合、口蓋垂が長いケースやもともと気道が狭い人なども、いびきをかきやすくなります。また、口蓋扁桃肥大、あごが小さい人などもいびきの大きな原因になります。
アデノイドは鼻腔の後方にあって、4〜5歳前後に最も大きくなるといわれています。鼻が出るわけでもないのに口をポカンと開けている子どもは、アデノイドが大きいことがよくあります。アデノイドが大きくなると、鼻がつまってくるために、軟口蓋や口蓋垂が振動しやすくなって、いびきの原因になることがあります。また、アデノイドが大きい子どもは口蓋扁桃も肥大していることが多く、これらが一緒になって上気道がふさがれ、睡眠時に数秒以上にわたって呼吸が止まる無呼吸発作(P 参照)を起こすこともあります。口蓋扁桃が肥大していると、呼吸をするときに扁桃の裏が陰圧状態になり、奥の方へ引っ張られるような感じになるため、扁桃と咽頭後壁(口を開けると見える、のどの突き当たりの壁)の間が狭くなって振動が起こり、いびきが起こることがあります。また、口蓋垂(のどちんこ)が長いと、息を吐くときに震動源となり、いびきの原因になります。
【飲 酒】
お酒を飲んだ後も同じです。アルコールを飲んで寝入ったときも、鼻腔の粘膜にうっ血が起こったり、疲れているときと同じく、舌やのどの筋肉が弛緩して、仰向けに寝ると舌が落ち込んで気道をふさぎ、いびきが起こります。
【老 化】
私たちの身体は老化してくると、皮膚や筋肉などが弛緩してきます。年齢を重ねると、老化して皮膚がたるんでシワになるように、気道の粘膜や組織もたるんできて、いびきの原因になります。
放っておくと危ないいびき
いびきは慢性の酸欠状態
「いびきをかく」とは、どういうことでしょうか。
いびきは正常な呼吸音ではありません。いびきは、呼吸をしているときに、何らかの理由で気道がふさがれることで起こります。呼吸が正常に行われていないということは、身体が必要としている酸素が十分に供給されていないということ。つまり、いびきは慢性的な酸欠状態を引き起こしているのです。
【いびきは高血圧の原因】
その一つが高血圧です。
血圧とは動脈の血管にかかる血液の圧力のことですが、血液が強い力で血管を押すようになってしまうのが高血圧です。血液は身体に必要な栄養分、酸素などを身体のすみずみに運んでいますが、必要な量の酸素が供給されていれば、血液中にも酸素が満ちているわけですから、ゆつくりと弱い力で流れていても細胞には十分に酸素が届きます。ところが、いびきによって慢性の酸欠状態になると、血液中の酸素も足りない状態になります。すると、血液は少ない量を無駄なく細胞に送り届けようとして、少しでも強い力で流そうとします。これが高血圧の原因になるのです。
【いびきは呼吸器系、循環器へも悪影】
また、身体が酸欠状態になると、血液を送りだす心臓に負担がかかってきます。早く、強い力で血液を送りださなければ、酸素を必要としている身体の各部分、細胞に酸素が行き届きません。それだけ心臓に無理を強いることになります。その状態が長く続くとしたら大変。どんなに丈夫な心臓でも、次第に弱ってくるでしょう。いびきをかいてる人は、不整脈、心不全、心筋梗塞などの危険と同居していることになります。
いびきが呼吸器系、循環器系の疾患をもたらしやすいということは、脳の働きにも大きく影響するということです。脳に酸素がいかなければ、脳は正常に機能しませんし、脳梗塞や脳卒中を起こしやすい状態になっているといえるでしょう。いびきは周囲の迷惑だけでなく、実は、こうした合併症を引き起こしていくことが重大なのです。いびきを放っておくということは、これらの症状を自ら育てていることになります。はっきりした原因がわからずに、慢性的ないびきをかいている場合は、どこに問題があるのかを医師に診断してもらう必要があるでしょう。
いびきは危険を知らせるサイン
一方、いびきを伴う病気もあります。毎晩のようにいびきをかくのにいびきの理由がはっきりしない人は、どこか身体の異常があるのではないかと疑ってみることも必要です。いびきを伴う病気の一つに、鼻の病気があります。いびきの原因のところでも少し述べましたが、鼻が悪くなると、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻特有の症状のほかに、慢性的ないびきも出てきます。いびきが続くときには、まず鼻の疾患を疑ってみましょう。
もう一つは、のどの病気です。扁桃腺肥大、アデノイド増殖症、のどに腫瘍ができている場合なども、いびきをかいていることが多いようです。
生命に直接かかわる病気もあります。脳梗塞や脳卒中、心不全などの病気にいびきを伴うことはよく知られていますが、甲状腺機能低下症、脳炎、脳腫瘍などでも大きないびきをかく場合があります。
このように、いびきは私たちに身体の異常を知らせてくれるサインでもあります。たかがいびきと放っておくと、あとで取り返しのつかない事態を招くこともあります。自分のいびきがどのような原因で起こっているのかを知ることが、健康で長寿を全うする秘訣といえるでしょう。
恐ろしい睡眠時無呼吸症候群
いびきが私たちの身体に及ぼす悪影響の決定版。私たちの身体を慢性の酸欠状態にする悪玉の親分が、「睡眠時無呼吸症候群」です。大いびきをかいて寝ている人を観察してみると、いかにも息苦しそうで、口であえぎながら呼吸をしています。「グォー、グォー」という呼吸も、一定のリズムではありません。途中で息がつまって咳き込んだり、時々いびきが止まって静かになるかと思うとまたいびきが始まったり、実にあわただしく変化していきます。そのとき突然、呼吸が止まってしまうことがあります。そばて見ている人はハッとするのですが、いびきとともに息を吸い込んで、そのまま呼吸が停止してしまうということが起こります。一瞬、死んでしまったのではないかと思えるほどに、ピタッと呼吸が止まってしまうのです。
このように、寝ているときに呼吸が停止してしまうことを「睡眠時無呼吸」といい、それが日常的に、慢性的に起こる人の症状を「睡眠時無呼吸症候群」といいます。医学的には「睡眠時無呼吸症候群」は、次のように定義されています。
「7時間の睡眠の中で、10秒間の呼吸停止が30回以上、または1時間に5回以上起こり、さまざまな臨床症状が認められるもの」
睡眠時の呼吸の状態やその深さを測定する器械に、睡眠ポリグラフというものがあります。睡眠しているときに正常な呼吸をしているのか、それとも病的な呼吸をしているのか、それを数値で示してくれます。睡眠ポリグラフを用いて、慢性的に大いびきをかく人を検査してみると、大いびきをかいていながら、いびきが止まっている間の10秒間くらいは呼吸がまったく止まった状態になっていることがわかります。
睡眠時無呼吸症候群は、呼吸が停止する原因によって、およそ三つの型に分けることができます。これは、いびきを引き起こす要因とも、大きく関わっています。
【閉塞型】
身体の構造上の問題、つまり、鼻中隔湾曲症や扁桃腺肥大などの鼻やのどの異常、また、あごが小さいとか肥満になどによって、鼻やのどがふさがれたり、気道がせばめられて起こるものです。
【中枢型】
呼吸中枢の障害によって、呼吸を促している筋肉が動かなくなって無呼吸状態になるものです。いびきはそれほど大きくありませんが、症状として、いびきを伴います。
【混合型】
中枢の無呼吸から、閉塞型へと次第に移行して起こるものです。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に慢性的に酸欠状態が続いている状態です。酸素不足は生命を維持する心臓と直結しているだけに、生命そのものを縮めていく場合もないとはいえません。年配の人などでは命取りにもなりかねません。
呼吸が止まっているということは、その間まったく酸素を体内に送り込んでいないということです。10秒が15秒、20秒と延びていったとしたら恐ろしいことになります。永久に呼吸が止まることだって、ないとはいえないのです。
心不全や脳卒中などの成人病もそうですが、最近では、これまで原因が分からなかった乳幼児の突然死も、この睡眠時無呼吸症候群によって引き起こされるのではないかと考えられるようになりました。乳幼児は生まれて間もない時期には、まだ気道が細くなった状態にいます。風邪などをひいて、大人であれば問題のない扁桃腺の腫れなどでも、ちょっと寝方が悪かったり、ほんの少し異物が侵入したりすると、気道がふさがれてしまう可能性があります。
乳幼児に限らず、睡眠時無呼吸症候群は突然死を引き起こすもとにもなるのです。アメリカのいびき学会では、睡眠時無呼吸症候群の人が全く治療しないでいた場合、9年後には7割の人しか生存しないという報告が出されたほどです。「睡眠時無呼吸症候群」は、私たちの身体を脅かす恐ろしい症状なのです。
最先端「いびき」のレーザー治療
自分でできるいびき対策
毎日いびきをかいてる人や、睡眠時無呼吸症候群であると感じられる人は、すぐに専門医に相談したほうがいいでしょう。しかし、まずは毎日の生活の中で、いびきをかかないための努力をしてみることも必要です。1週間ほど続けてみて、それでもいびきに変化がないようなら、専門医を訪ねることをおすすめします。
【横向きに寝】
まず、横向きの寝方にしてみましょう。
いびきをかく人の多くは、仰向けの姿勢で寝ています。仰向けで寝ると、のどの奥の粘膜や口蓋垂などが下に垂れ下がってしまうので、それがのどをふさいでいびきになることが多いのです。横向きに寝ると、それが緩和されて、いびきが軽減されることもあります。ただし、横向きで寝つづけるというのは大変ですから、寝返りを打たないように腰に別の枕や布団などを当てて寝るとよいでしょう。
【自分に合った高さの枕にする】
枕の高さを変えてみることも一つの方法です。
寝たときの人間の頭の高さは、人によって異なり、人それぞれに合った枕の高さがあります。最近よく見かける快眠をテーマにしたお店では、頸椎と後頭部の高さを計って、その人に合った枕を選んでくれます。この二つの対策で、多くの人はかなりいびきを軽減することができるでしょう。
【部屋を乾燥させない】
室内の温度や湿度にも気を使いましょう。
室内が乾燥しすぎると、鼻やのどの粘膜から水分が奪われてカサカサした状態になっていきます。カサカサした状態になると、粘膜に傷がつきやすくなり、空気がスムーズに流れにくくなります。これが、いびきの原因になることもあります。また、急に冷え込んだりすると鼻づまりを起こしやすくなり、これもいびきの原因になります。寝室の環境には十分な配慮が必要です。
【アルコールを控える、肥満を解消す】
いびきの大きな原因の一つに、アルコールと肥満があります。
もし、あなたが酒好きで、太り気味の体型をしているとしたら、ここは一念発起して、ご自分のライフスタイルを変えてみてはいかがでしょうか。お酒を少しずつ減らして、ダイエットに取り組んでみましょう。
従来のいびきの外科治療
いびきはこれまで、一般の人はもちろん医師ですら病気としてとらえる人は稀でした。ですから、いびきに効くという薬がほとんどなく、手術にしても、大学病院などでは、睡眠時無呼吸症候群と診断されたときにだけいびきの手術を行うという状態でした。いびきの手術は、のどの奥のたるんだ粘膜を除去することがメインになります。専門的にいうと「のどの口蓋弓粘膜(口蓋垂、いわゆるのどちんこの左右のアーチ形の部分)を切開して、のどの空気の通り道を広げる」ということです。つまり、のどの粘膜を切開して取り除き、その傷口を縫合するという方法です。一見、簡単な手術のように見えますが、これが実は大手術なのです。
患者さんは全身麻酔によって手術を受けます。そして縫合するために、絶対安静の時間、傷口が癒着する時間など、どうしても入院して術後の経過を診ていかなければなりません。全身麻酔というリスク、出血という負担、2〜3週間もの長期入院などを考えると、忙しく働いている人にとって、手術は時間のかかる大変なものでした。健康保険は適用されますが、数十万円の出費になる場合もあり、決して安いものではありません。さまざまなリスクと費用を考えあわせると、レーザー治療のほうが割安といえるかもしれません。
いびきのレーザー治療
これまで治療といっても、ほとんど外科手術以外に打つ手がなかったような状況の中で登場してきたのが、レーザーによる方法です。欧米ではいびきのレーザー治療は、早くも10年以上前にスタートしており、治療法も確立しています。安全確実で、従来の外科手術以上という報告が数多くされています。
レーザーによるいびき治療の原理は、外科手術とまったく同じです。のどの口蓋弓粘膜と口蓋垂のたるんだ部分にレーザーを照射しながら、少しずつ除去していきます。のどの部分の空気の通り道を広げてやることで、睡眠時の粘膜の震えをなくして、いびきを軽減させます。治療は10〜15分程度の簡単なものです。
私のクリニックでは、いびきのレーザー治療には、コンタクトヤグレーザーを用いています。これは、機器が接触している部分にだけレーザーが照射される最新式接触型のもので、治療がより安全にできるようになりました。
痛みがほととんどなく、出血もしないということがレーザー治療の特徴です。のどの表面にスプレーで麻酔をかけて、ごく軽い局所麻酔をすることで、治療中はほとんど痛みを感じることはありません。
レーザー治療の登場で、いびきの治療はより手軽で容易なものになりました。レーザー治療では、外科手術でどうしても必要な全身麻酔も切除した跡の縫合も一切いりません。仕事で忙しい人も、手術が怖い人も、不安なく、いびき治療が受けられます。
治療後も数日間は、少しヒリヒリした感じが残るかもしれませんが、入院加療の必要はなく、1ヵ月後の検診を受けるだけです。もちろん副作用などは一切ありません。麻酔による障害の心配もありません。ただ治療後、ごく稀に出血することもありますが、にじむ程度の出血で安静にしていれば止まりますから、心配する必要はありません。
レーザー治療を受けると、ほとんどの人が大幅にいびきを改善することができます。従来のいびきを10とすれば、治療後はひどい人でも2〜3程度まで軽減することができます。睡眠時無呼吸症候群は、ほとんど解消されるといってよいでしょう。
ただし、治療したからといって、翌日からすぐにいびきがなくなるわけではありません。しばらくはのどの腫れのために、一時的にいびきの音が大きくなる場合もあります。レーザーを照射した後は、2〜3週間くらいは多少のむくみが残ります。日常生活には何の支障もないむくみで、このむくみが取れてからがよさを実感できます。1ヶ月もたてば、ご家族は、あなたのいびきほとんど気にならなくなるでしょう。いびきをかかない睡眠は深く、身体の疲れを十分に取ってくれます。そして、すがすがしい朝とともに、仕事への活力が生まれてくることでしょう。






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